正しくバック転が跳べる人なら絶対にできる技

体操ではバック転の事を【後方倒立回転跳び】、略して【後転跳び】と呼びます。 つまり技の中に倒立姿勢が含まれていないと、技として認定されないという事です。 あ、バック転の事を【バク転】と書く人がいますが、間違いですから。英語では
Back flip。 後ろ側に回転する動きを指す言葉なので、バック転が正しいです。 口で言う分には伝わるので問題なしですが(笑)。
某有名辞書等にもバク転って書いてあって幻滅。。。 正せや!

よく着手時(半回転して手を着く時)、同時に膝を曲げ、その後そのまま足を落として着地する人がいますが、あれは体操界では『猿回し』と言って、技のさばきが未熟であるとか、失敗を意味します。 お猿さんは、人間のように肩を入れる動作(脇を開ききった状態でバンザイ)や、膝を伸ばし切って立つといった姿勢を、関節と皮の関係で出来ません。 骨格上の問題なので、お猿さんに非はございませんが(笑)、要するに下手な人を小ばかにした表現ですね。 人間である以上、美しい姿勢で技を実施したいものです。

体操技を美しくさばかねばならないのには、理由があります。 安全性です。 事故防止・怪我の防止という事です。
身体の各部位には『重さ』が存在します。 例えば側転を実施する際、回転中の倒立局面で膝を曲げたとします。
そうすると逆立ち状態にある身体の『膝から先』の重さが、背中側に『重り』としてぶら下がっている状態となります。
その状態で回転し切ろうとすると、人間の体はバランスをとりながら回ろうとしますので、上半身は反った状態になるわけです。

それを体操では『胸が落ちる』という表現で示します。 無理にバランスをとりながら回転するという事は、体の各関節にも必要以上の負荷がかかりますし、技自体の安定性や精度も、高めようがありません。 毎回博打(ばくち)を打っているようなものです。


無理のない、自然な動きで、毎回安定して技を成功させるためには、『胸が落ちていない正しい倒立』の体得が絶対条件です。
『体操の基本は倒立』。 これ以上の解説は会員さんの手前、やめておきますが、『肩や胸の吊り』、『身体全体の締め』、『姿勢』、
全てを兼ね備えた倒立をマスターして、ようやく体操やアクロバット技を学ぶスタート位置に立てる訳です。


ノリと勢いもいざというときは大切ですが、それだけで跳んでいる人はいつか必ず怪我をします。しかも結構エグ目の。
場合によっては再起不能や下手をすれば死さえあり得ます。 若さと度胸だけで技に突っ込んでいくのはお勧めしません。
うちでなくても良いので、正しい指導理論・知識・経験とノウハウをもった指導者をしっかり選んで、練習にあたりましょう。

自分の身を守るのは、自分自身です。が、良い指導者は、あなたが『自分で自分を怪我から守りながら攻めの練習が出来る方法』までを教えてくれるはずです(言葉ではなくても)。

怪我をしたら負け。 あの体操のキング、内村選手だって、怪我をしてしまったことで連覇を逃しましたよね。 試合の結果だけで語っているのではありませんが、わかりやすい例えとしてはつまり、そういう事なのです。


体操競技はスポーツなので、技に美しさを求めるのは競技性を持たせるためでもあり、芸術性を持たせるという理由もあります。が、やはり
伸ばすべきところは伸ばして、大きい演技のほうが美しく、雄大であり、なおかつ怪我もしにくいのです。


取り敢えず回れるようになればいいや! と考える人が一人でも減ってくれることを願っています。


長くなりましたが、今回の動画はこちらです


蹴りを決め、伸ばしてそろえた脚全体の重さを自在に操作できれば、簡単に実施可能です。
バック転で着手の際、膝を曲げている人はこれをヘタに真似ると、自分の膝で顔面を強打するのでご注意下さい。




というわけで今回はここまで。 ご覧いただきありがとうございました☆



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プロフィール

UNAZO

Author:UNAZO
aMi体操倶楽部は、2008年、日本初の大人専門体操教室として愛知県春日井市に誕生し、12年間営業⇒現在は岐阜県羽島郡岐南町へ移転致しました。
教室でのエピソードはもちろん、体操とは全く関係ないことも綴っていきます。

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